体臭の中でも悩みが多いのがワキガです。
ワキにはアポクリン腺とエクリン腺という二つの汗腺が存在しています。
アポクリン腺はちょうど毛穴の上部に位置しており、皮脂、アンモニア、鉄分、糖分、たんぱく質などを含む汗を分泌するという特徴があります。アポクリン腺はワキを中心に、ヘソ周りや中耳、耳の裏、陰部、乳首周辺に存在しています。
一方のエクリン腺は全身の皮膚に広く分布しています。
体温を調節するために汗を分泌する部分で、ほとんどが水分と塩分の汗を排出します。
つまり、ワキガになるのはこのアポクリン線から分泌される汗が原因
である、ということです。
ワキガは病気ではなく、体質によるものです。
よく、汗かきの人がワキガになると言われていますが、体温調節のために出る汗はエクリン腺から分泌されるものなのでワキガには繋がりません。
ワキガの原因となるのは
ストレスや緊張を感じたときに分泌されるアポクリン腺からの汗であることを覚えておきましょう。
ワキガになりやすいタイプ
汗は誰もがかくものですが、全ての人がワキガであるか、と言えば決してそのようなことはありません。
ワキガは遺伝性の高い、体質によるものです。
血縁の中にワキガの人がいれば自分もワキガになりやすいと言えます。
統計学的な見地では、両親のいずれかにワキガが見られる場合、その5割ほどの子どもに遺伝
すると言われています。
では、ワキガの人とワキガでない人とではどのような違いがあるのでしょうか。
まず、アポクリン腺の数が多い人です。
アポクリン腺が多ければ多いほど皮脂などを含んだ汗をかく割合が増えるためにワキガになりやすくなります。
女性よりも男性のほうが身体が大きいのでアポクリン腺が多いとされます。
また、体毛が濃く、多い人もワキガになりやすいとされます。
また、ストレスを感じやすい人もワキガを引き起こしやすいと言われています。
強いプレッシャーを感じたり、あせったりするとじっとりと汗をかきますよね。
このときにアポクリン腺からも大量の汗が分泌されます。
そのため、ストレスに強い人よりもストレスに弱い人の方がワキの臭いが強くなりがちであるという傾向にあります。
自身がワキガかどうかをチェックする方法はいくつかあります。
自分で臭う、と分かる場合には問題ありませんが、中には自身がワキガであるか分からない人もいます。
自分ではワキガではないと思っていても、周囲の人はそう思っていないかもしれません。
耳垢が湿っぽい
耳の中にもアポクリン腺が存在しているので、
耳の掃除をしたときに湿っぽい耳垢が取れる場合にはワキガのリスクが高いと判断できます。
シャツに黄ばみが出来やすい
シャツなどのワキの部分に黄ばみが出来やすい人はワキガの可能性が高いです。
通常の汗は無色透明であるためシャツの黄ばみを起こしにくいのですが、
皮脂などと混ざり合った汗が分泌される
アポクリン腺からの汗はシャツに黄色いシミを作ってしまいます。
自宅でできるワキガの臭いをケアする方法について紹介します。
ワキガを軽減させるためには、全身の清潔を保つことが重要です。
脇だけ清潔にしていればOKと考える人もいるでしょうが、全身の清潔を保つことが重要。
汗をかいたら清潔なタオルなどで拭き取る、殺菌効果のあるデオドラントシートを利用する、
殺菌効果のあるスプレーやスティックを利用するなど雑菌を増やさないようにしましょう。
また、お風呂は毎日入ることが重要です。
汗をかきやすい部分、ワキを始めとした全身をしっかりと石鹸で洗うようにします。
できればシャワーではなく入浴が望ましいです。
ミョウバンには優れた消臭作用があります。
ミョウバン50gと1リットルの水を混ぜ合わせて、
使う分だけ容器に移して後はわきに塗布するだけでOK。
ミョウバンの持つ優れた消臭作用がワキの臭いを抑えてくれます。
また、重曹も同様にワキガ対策に効果的。
汗で酸性になったワキを中性にすることで臭いを抑えて雑菌の繁殖を抑えることができます。
これらは食品にも利用されているものなので安全性が高く、ドラッグストアなどで安く購入できるというメリットがあります。
食の欧米化が進んだ現代の日本。
昔と比べて肉を食べる機会が圧倒的に増えてきました。
この肉類には多くの脂肪分が含まれていて、血中コレステロール値を上昇させる作用を持っています。
このコレステロールは皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を促すので、アポクリン腺から分泌される汗にも多くの皮脂が混ざり合うようになってしまいます。そのため、ワキガが強くなることも。
これを解消するためには、肉類や乳製品の摂取をできるだけ少なくして、
魚や野菜を多く摂取する、いわゆる日本食を心がけるようにしましょう。
クリニックで治療する
ワキガはクリニックなどで治療をすることができるのをご存知でしょうか。
クリニックでワキに存在するアポクリン腺を取り除きます。
メスで切り開いて取り除く方法や、細長い管をつかって汗腺を吸引する方法などがあります。
また、専用の器具で毛穴を書き出す方法も。
手術を行うとワキに傷跡が残りそう、黒ずみが出来そうと心配な方は、ボトックス注射や電流を使った治療方法もあります。
診察を受けてみて、自身にとってベストな施術を選ぶようにしましょう。